企業イメージ、市場競争力を維持するためにも、決して許されないソフトウェアの違法コピー。
防止策の導入は、企業規模に関係なく、全ての企業にとって必要不可欠です。

内部統制と違法コピー対策

(1)内部統制(J-SOX)における違法コピーの位置づけ

明確に、リスクマネジメントと法令遵守を義務づけている内部統制。すでに全ての上場企業に、内部統制報告制度が適用され、同時に内部統制システムの導入が義務化されています。
また内部統制では、4つの目的の中に「関連法規の遵守」が設定されています。つまり、全ての上場企業にとって著作権法違反行為に該当する違法コピーへの対策実行が、義務づけられていると考えられます。

内部統制の目的と違法コピーの関係性

(2)「内部統制報告書」における違法コピーの影響

現在、全ての上場企業で構築されている内部統制システムですが、万一組織内で違法コピーが発生した場合、どのような評価が下されるのでしょうか。
上場企業の経営者には、内部統制の有効性を評価し「内部統制報告書」を提出することが義務付けられています。違法コピーが発生してしまった場合、内部統制報告書の中で「重要な欠陥があり、内部統制は有効でない」という判断を自ら下し、同報告書を期日までに公開する必要があります。
また、経営者は事業年度の末日までに是正策を実行する必要にも迫られることになります。最悪の場合、経営者責任を問われることも十分考えられます。

(3)「内部統制監査報告書」における違法コピーの影響

上場企業には「内部統制報告書」の他に、監査人(≒監査法人)による「内部統制監査報告書」の提出も要求されます。通年で監査法人が、内部統制システムの有効性を客観的に監査します。
違法コピーが発生した場合、同報告書上で確実に指摘されることになります。また、経営者が実行した是正策に関しても監査が行われます。経営者だけの問題ではなく、企業価値を維持する観点からも、違法コピー防止に全社で取り組む必要があります。

(4)違法コピーと「IFRS」の関係

IFRS(国際会計基準)対応の中で、最も影響を受けるのがグループ企業各社の内部統制システムです。これまで、J-SOX適用の中では、内部統制システムの運用に関してはグループの共通規程をベースに、各社に任せるケースがほとんどでした。
しかし、IFRS対応では、グループ企業全社を網羅できる共通の内部統制システムの採用が必要とされます。関連する情報の収集と分析も、随時行わなければなりません。つまり、違法コピーなど著作権法侵害行為防止に向けた抑止効果を、グループ全社に確実に発揮できるシステムの確立が要求されます。
現在、連結財務諸表を作成している上場企業は早期に、システム整備に着手することが重要です。

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