企業イメージ、市場競争力を維持するためにも、決して許されないソフトウェアの違法コピー。
防止策の導入は、企業規模に関係なく、全ての企業にとって必要不可欠です。
近年の違法コピー事件では、改正著作権法で罰則が強化されたことも影響して、ソフトウェア開発元各社との和解額の高額化が進んでいる傾向があります。
2007年12月 | ソフトウェア 開発会社A | 約1億4,000万円 |
2008年3月 | 学校法人A | 約2億1,000万円 |
2009年2月 | 公益法人A | 約2,400万円 |
2009年3月 | 奈良市 | 約4,300万円 |
2009年5月 | 石川県庁 | 約4,000万円 |
2009年7月 | 調査会社A | 約1億円 |
2009年7月 | パソコンスクールA | 正規品小売価格の 2倍の損害賠償額 |
2009年10月 | 弘前市 | 約823万円 |
2009年11月~ | 北海道庁 | 3億6,000万円 (残り4社と協議中) |
※各報道をもとにクオリティソフト(株)が作成(金額は、いずれも2010年7月段階のものです)
すでに2001年の違法コピーを巡る判例で、裁判所は「違法コピーが発生した段階で、組織は損害賠償に応じなければならない」という趣旨の判断を下しています。つまり、違法コピーが発生した時点で、ソフトウェア開発元に損害賠償請求権が生じることになります。組織として認識すべき点は、万一違法コピーが発覚した際、利用本数分を正規購入しただけでは、和解に至らないということです。ほとんどのケースで正規購入額以外に、高額な損害賠償を請求される可能性が極めて高いと推測されます。
「平成13年(ワ)22157号 某損害賠償請求事件」の判例の中で、裁判所は「著作権侵害行為に対する損害賠償額が、正規額より少なく算定されることは不当である」という趣旨の判断を下しています。
つまり、ソフトウェア開発元や著作権保護団体からの損害賠償額は、最低でも正規価格100%加算が予想されます。結果として、最低2倍のコスト負担が発生すると考えられます。違法コピー発覚で、正規品購入費をはるかに上回るコストが必要になるのです。
2009年7月、約550本の違法コピーが発覚した石川県。著作権保護団体との最終的な和解額は、約4000万円で正規購入額の1.5倍に相当します。このように、ソフトウェアの正規購入だけでは、和解できません。組織への損害賠償額は、違法コピーの本数によって飛躍的に増大する可能性があるのです。