導入事例:

筑波大学様

筑波大学様

学術情報メディアセンター
准教授
中井 央 氏
(写真左)

図書館情報メディア研究科
准教授
歳森 敦 氏
(写真右)

フローティングライセンス管理で活躍する「KeyServer」

ネットブート式のシステムを構築し、管理・運用工数の低減
フローティングライセンスを活用し、ライセンスコストの大幅圧縮に成功

筑波大学は、1973年(昭和48年)10月に「開かれた大学」「教育と研究の新しい仕組み」を特色とした総合大学として発足。大学改革の先導的役割を果たしつつ、教育研究の高度化、大学の個性化、大学運営の活性化など、活力に富み、国際競争力のある大学づくりを推進している。

使用ソフト: KeyServer 

サテライトを統合した「全学計算機システム」を稼働開始

筑波大学情報環境機構学術情報メディアセンター(以下、情報メディアセンター)は、筑波大学の学内基幹ネットワークや計算機システムを導入・維持・管理し、情報基盤の根幹を担っている。

 

2009年3月、同センターは1年生向け情報処哩教育のための教育用計算機システムと学内26カ所に設置され、学類・専攻の専門教育を担っていた分散サテライトを統合した「全学計算機システム」を導入した。
この「全学計算機システム」では、端末が起動するたびに共通の起動イメージをネットワーク経由で配布するネットブート型のシンクライアントを採用している。また、OSはWindowsとLinuxのデュアルブートで、電源投入時にどちらかのOSを選択して利用できる。

 

「現在は1000台ほどのPCで運用しています。学生は、どのサテライトからも同じ環境でPCを利用できます。当センターでは、4人ほどの担当で、全学計算機システムの管理運用をしています」と、筑波大学准教授の中井央氏は説明する。筑波大学では、258haの広大な敷地を有する筑波キャンパスと大塚地区、秋葉原地区から成る東京キャンパスの計18箇所に端末を分散配個し、これらの拠点をサテライトと呼んでいる。情報メディアセンターという一箇所の拠点で働く4名の担当者で、どのように地理的に分散した多数のサテライト、1000台のPCを運用しているのだろう。

端末の管理工数だけでも膨大そのエ数削減が最大の課題

「シンクライアントを導入する前は、情報メディアセンターとその近辺に配骰された端末ごとにOSやアプリケーションを導入していました。台数は数百台程度ですが、その部屋に行かなければ、作業ができませんでした。広大なキャンパスヘの端末展開に大きな制約があったということです。管理・運用面でも課題がありました。スタンドアローンのPC管理は、非常にエ数がかかります。日常的なウイルス対策やパッチ処理だけでも大変ですし、ましてやウイルスに感染した場合の処置は、職員が数日かかりきりになることもありました。運用にかかる手間をいかに削減できるか、という検討をした結果、2006年からネットブート方式を採用しました。今回の全学計算機システムは筑波大学としては2世代目のネットブート型システムです。二つのシステムを統合し、全学に端末を展開できたのは、ネットブート型システムの運用を経験して、教室まで出向く回数を十分減らせることと、規模を拡大しても管理工数がさほど増えないことに見通しがついたからです。」(中井氏)

 

ネットブート型にすれば、端末の設定は一元的に管理できる。シンクライアントといっても、プログラムの実行はPC上で行うため、重いアプリケーションでもリソース不足によるパフォーマンス低下などの問題もない。管理工数を低減させたい、多様な要求に応えたいというニーズにマッチしたソリューションといえるだろう。

ライセンスコストを圧縮するフローティングライセンスを活用

「全学計算機システム」を導入する際、頭を悩ませたのが、アプリケーションにかかわる問題だ。特にライセンスにかかるコスト圧縮は大きなテーマであった。これまで専門教育に使われてきた分散サテライトシステムでは、学類ごとにアプリケーションを導入・運用してきた。つまり、個々のソフトウェアはせいぜい数十台分のライセンスを購入すれば良かったが、教室が変わるとそのソフトウェアは使えなかった。「全学計算機システム」では起動イメージのメンテナンスエ数を減らすためにも、利用者の利便性を高めるためにも、全てのPCを単一の起動イメージで運用している。その結果、基本的にはどの教室でも全てのアプリケーションが使用できるようになった。筑波大学は人文・文化,理工学,医学,芸術など9つの学群·専門学群から構成されているが、様々な分野にわたる170以上のアプリケーションが提供されている。この中には、高額なアプリケーションも含まれている。例えば、Adobe製のアプリケーションは高価なものが多いが、芸術専門学群を有する筑波大学はその全種類を導入し、全ての端末で使用できる。インストール数でカウントされるライセンスで導入していては、そのライセンス費用だけで数億円を超えてしまう。そこで筑波大学では「フローティングライセンス」を利用している。

 

一般に、「フローティングライセンス」は、同時使用ライセンスとも呼ばれ、同時に使用するユーザ数で課金されるライセンスだ。1000台のクライアントに導入しても、同時に10台しか使わないのであれば、10ライセンス購入すればいい。必要数だけ購入すればいいので、フローティングライセンスをうまく活用すれば、ライセンス費用の大幅な圧縮が可能となる。コスト削減効果の高いライセンス形態といえよう。

 

その「フローティングライセンス」を利用するためには、適正にライセンスを管理する仕組みが必要となる。筑波大学が利用しているのはクオリティの「KeyServer」だ。

ライセンス管理はKeyServerを活用

「KeyServer」は、ライセンス管理ツールとして認知されているが、フローティングライセンスにも対応している。学生は、どのサテライトでも全てのソフトウェアを利用できるのが、「全学計算機システム」のメリットだ。当然、フローティングライセンスで契約しているアプリケーションも、どこからでも利用できる。そうなると、授業で使う際に、別のサテライトで使用されていて、ライセンスが足りなくなる、といった事態も発生しそうに思える。「全学計算機システム」では、その対策も万全だ。ライセンス数を、授業での必要数よりも余裕をみて導入している上、いざとなれば「KeyServer」による、ソフトウェアの使用時間のスケジューリング機能を使って、授業で必要な数のライセンスを予約する計画だと言う。授業で必要なライセンスが足りなくなるということは起きないようになっているのだ。時間割が決まっている教育現場では、必須の機能と言えるだろう。

 

「全学システム」には、特定の教室のみで使用が許諾されたソフトウェアも含まれている。共通の起動イメージを使用するので、このようなソフトウェアも全てのPCにインストールされてしまう。これらのソフトウェアは、「KeyServer」を用いた適切な起動制限を施すことを条件に、ネットブート型システムでの使用をソフトウェアベンダから許可されたという。

 

「KeyServer」によるフレキシブルなライセンス管理が、単一の起動イメージによるネットブート型システムと多様なアプリケーションの多様なライセンス形態の組み合わせを可能にしたといえるだろう。

 

 

筑波大学で、すべてのアプリケーションを通常ライセンスで導入した場合、総費用は13億5000万円にも達する。「KeyServer」を利用したフローティングライセンスにより、5000万円まで抑えることができている(共にクオリティによる資産)。

本当に必要なライセンス数を絞るなど さらなるコスト圧縮を目指す

 

「有名なアプリケーションでもネットブートに対応していなかったり、フローティングライセンスが用意されていないことも少なからずありました。その情報収集や協議が非常に大変でした。しかし、ベンダーやメーカーの協力で、最終的には各学類からの要望にはほとんど応えることができたと思います」(筑波大学准教授歳森氏)

 

ネットブート式のシンクライアント環境は、管理・運用工数を削減し、フローティングライセンスを活用することで、大幅なコスト圧縮を実現している。システムを統合し、「全額計算機システム」を構築したメリットは多分に現れている。

 

中井氏は「今後は、ソフトウェアの稼働率を調査しながら、本当に必要なライセンス数に絞ることも考えています。そのため、評価する体制を構築し、次のシステムの仕様策定に生かしていこうと考えています」と語る。

 

筑波大学は、「全額計算機システム」の導入によって、管理・運用工数やライセンスコストの削減を実現する一方、学生の利便性を向上させ、より進んだ教育情報基盤の構築に成功したと言えるだろう。

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